叶姉妹の「カナフレックス」 野放図なワンマンに赤信号

2015年3月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

  • はてなブックマークに追加

カナフレックスコーポレーション(大阪市北区)といえば、非上場ながらタレントの叶姉妹を起用したCMでお馴染みの建設資材・工業材料の中堅メーカーだが、ここに来て資金ショートの噂が囁かれている。

「1月14日に開催されたバンクミーティングでは綱渡りの資金繰り表が示され、3月末までの返済猶予の要請があった」(銀行関係者)。取引金融機関はすでに中国、スペインなどの海外子会社を含めたグループ全体の資産査定(デューデリジェンス)を始めており、その結果を受けて再建計画の作成に入るというが、前途は予断を許さない。

かねて業界筋では、本来地味なメーカーにもかかわらず派手なCMを打ち、「東京本社」と称してテナント料の高い六本木ヒルズ森タワーに入居していることや、金尾茂樹社長(66)の1億円近い役員報酬などが疑問視されていた。セレブ向け月刊誌の美人秘書特集に登場した社員が「弊社は全英オープンのTV放映筆頭協賛スポンサーなので、社長との会話でもゴルフの話題が頻繁に出ます。私も秘書として知識を備えたいと、入社後すぐにスクールに通いました」などと、お気楽ぶりを見せつけたこともある。

バンクミーティングの翌日には東京・虎ノ門のホテルオークラで、カナフレックスが開発した下水管更生の新工法の普及を目的とする「一般社団法人カナフレックス工法協会」の発足パーティーが開かれ、来賓として二階俊博・自民党総務会長、今村雅弘・衆院国土交通委員長、脇雅史・参議院議員(建設省OB)ら大物議員が列席した。同協会の会長に就任した綿貫民輔・元衆議院議長は「新工法は国土強靭化に寄与する。これまで以上に金尾社長を支えたい」と賛辞を送った。

さらに1月30日付日経新聞に全面広告を打ち、翌日の「東京ショールーム」の開業を大々的にPR。当日は叶姉妹も来店したという。野放図な経営は、いつまで続くのか。

   

  • はてなブックマークに追加