安倍「熱狂なき圧勝」の代償

衆院選は、日本中に徒労と虚脱感を残した。「熱狂なき選挙は全て自民党の責任。言い訳はできない」(小泉進次郎)。

2015年1月号 COVER STORY [勝利の美酒に酔えぬ首相]

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政治史年表に記すのは、やはり「アベノミクス解散」より「大義なき解散」のネーミングがふさわしい。与野党の勢力比が選挙前と選挙後で変わらない衆院選結果は、日本中に徒労感と虚脱感を残した。安倍晋三首相は圧勝したが、「手本」と仰ぐ小泉純一郎元首相が郵政解散で大勝した時のような熱狂はない。得たものはあったにせよ、その代償としてあらわになったもの、失ったもの、抱え込んだものも多い。得たものは、端的に首相の任期延長と、2​0​1​5年9月の自民党総裁選における再選である。投開票があった14日夜、菅義偉官房長官は安倍首相が自民党本部に姿を現すより先に、自らテレビ各局に足を運んで開票速報番組にはしご出演した。過去の官房長官には見られなかった行動である。いずれの局でも共通して発信したのは「この選挙時期は前々から考えていた(三つくらいあった)選択肢の一つで、決めたのは ………

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