石油資本窮地で「供給難」

生産コスト膨張で利益が急減。投資絞り込みで将来の供給が細れば、これから世界経済の波乱要因に。

2014年5月号 BUSINESS [チープオイルの終焉]

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オイルメジャー(国際石油資本)の様子がどうもおかしい。ここ3年、原油相場は1バレル=100ドル超の水準で高止まりしているのに、利益が急減しているのだ。2013年10~12月期の4大メジャーの純利益を見ると、最大手のエクソンモービルは83億5千万ドル(約8500億円)と前年同期比16%減少。欧州最大のロイヤル・ダッチ・シェルは21億5千万ドル(約2200億円)と同71%も落ち込み、四半期では09年以降の最低を記録した。シェブロンは49億ドル(約5千億円)で同32%減、BPは10億4200万ドル(約1060億円)で同30%減と、軒並み大幅にダウンしている。同期の石油と天然ガスの合計生産量(石油換算)は、エクソンが前年同期比1.8%、シェルが4.8%、シェブロンが3.4%それぞれ減少したが、利益の落ち込み幅よりはずっと小さい。BPの生産量は逆に3.7%増加した。

生産コストが10年で3倍に

原油相場(販売単価)が高止まりし、生産量もさ ………

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