米ロ「ウクライナ危機」の伏線

5カ月前に対ロ強硬派が宣戦布告していた。オバマとプーチンに楔を打ち込み、「シリアの仇討ち」を果たす。

2014年4月号 GLOBAL [緊急特集 ウクライナ危機]

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ウクライナをめぐって米国とロシアの両大国が一触即発になっている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、窮地のバラク・オバマ米大統領に助け舟を出したのはわずか5カ月前の昨年9月のことだ。シリアのアサド政権が化学兵器を使ったとの理由で空爆の瀬戸際に立たされたオバマに、化学兵器の国際管理・破棄という緊急提案をしてぎりぎりで危機を回避した。その延長線上で米国はイランの核開発問題で交渉再開への道を拓くことができたのに、この2月のウクライナ政変で風景が一変した。

シリアの仇はウクライナで討て

ウクライナはロシアと欧州の間に挟まれた地政学上の要衝だが、親ロ派のヤヌコビッチ政権が欧米の積極支援を受ける野党連合によって打倒された。プーチンは躊躇することなく反撃に出た。ロシア系住民が約6割を占め、ロシアの黒海艦隊の拠点である軍港セバストポリを擁するクリミア自治共和国で、ロシアの治安部隊 ………

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