粉飾「藪の中」が心地いい監査法人

2012年3月号 連載 [監査役 最後の一線 第11回]

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東京証券取引所が1月、オリンパス株の上場維持を決めた。様々な課題を残したが、責任が問われかねなかった当事者たちは、ひとまず胸を撫で下ろしているに違いない。上場廃止になれば今以上の数の株主たちが損害賠償訴訟に踏み切っただろうから、当事者たちは冷や汗ものだったのだ。もちろん、東京地検特捜部など当局の捜査は続いており、菊川剛・元社長兼会長ら経営者個人の責任は今後、追及されていくことになる。だが、今回の巨額粉飾事件を、菊川氏ら経営幹部による「個人の犯罪」と片付けてしまって本当にいいのだろうか。¥¥¥「監査は問題が起こった時に質が向上するものです」と、オリンパス問題の調査に携わっているベテラン公認会計士のひとりは言う。制度上の欠陥や、監査手続きの不備が明らかになれば、その点を改めることが可能になるので、監査制度自体としては質が上がっていく、という ………

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