戦略なき菅直人の「百日天下」

長期政権の打算が裏目。市民運動家から成り上がった首相は「ゲリラ戦」ばかり。ねじれ国会では通用しない。

2010年8月号 POLITICS [愚かな「宰相のゲリラ戦」]

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それは「戦略なきリアリスト政治家」の無様な撤退だった。「私の消費税に関する発言などで大変重い選挙になってしまった。党全体に迷惑をかけ、反省している」7月14日、首相の菅直人は前幹事長の小沢一郎と親しい日本航空会長・稲盛和夫に頭を下げた。「小沢氏に連絡しているが、会える日時が決まらない」と漏らす菅が稲盛を通じて恭順の意を表したに等しかった。「脱小沢」と「消費税」で参院選の勝負に出たはずの菅は投票日の11日から既に腰がふらつき始めていた。「明日にでも消費税が上がるのではないかという唐突な印象を与えてしまったかもしれません。率直にお詫びします」主要紙朝刊に民主党は全面広告を打った。菅の写真をあしらった最後のお願いは、消費税率引き上げを突然、持ち出したことへの謝罪から始めなければならなかった。改選議席54を10も減らし、国民新党を合わせた連立与党で参院 ………

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