「信認」失った欧州中央銀行

ギリシャを発端に国債バブル破裂。オバマに促されサルコジの圧力で、国債を買い入れた「カノッサの屈辱」。

2010年6月号 BUSINESS [ユーロの矛盾爆発]

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父王殺しの予言から逃れようと世にさまよい出た揚げ句、皮肉にも父を殺し、母を娶る結果となるお馴染みのギリシャ悲劇「オイディプス王」と言うべきだろうか。ギリシャがにわかにテレビの画面を賑わせた。日本のGW連休の最中の5月5日。財政緊縮反対の抗議デモがアテネで大荒れとなり、3人の死者まで出した。赤々と燃える火炎瓶の炎の映像が繰り返し放映され、全世界のディーリングルームのテレビモニターに映ると、金融市場の参加者は、ただならぬ事態を察知した。欧州ばかりでなく、米国の株式市場にも売りの津波が伝播した。翌6日、米国時間午後2時過ぎに炸裂する。売りが売りを呼ぶ阿鼻叫喚のなか、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均は一時998ドルのフリーフォール(棒下げ)を演じた。たった一つの銘柄に100万ドル(ミリオン)の売り注文のはずが10億ドル(ビリオン)と打ち間違えた誤発注が引き金 ………

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