鴻海テリー・ゴウ「台湾総統」の勝算

「不人気」民進党を尻目に真打ち登場。強敵の高雄市長も後ろ盾は親中。大勢は国民党復活。

2019年6月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

「媽祖(マーズー)さまが夢枕でお告げになった。人々のために何事かをなせ、立つべし! と」来年1月11日に迫った台湾総統選挙に“真打ち”が名乗りを上げた。シャープを買収したあの鴻海精密工業の総帥、郭台銘(68)、英語名テリー・ゴウである。4月17日午前、新北市の慈恵宮を参拝。総統選挙への出馬を、媽祖のお告げとしてわざわざ台湾語で披露した。慈恵宮は海の安全を司る道教の女神、媽祖を祀っており華南で信仰が篤い。華北山西省にルーツのある外省人の郭には縁遠いが、下級警察官だった郭の父は台湾移住後、慈恵宮に仮住まい。郭はここで生を受け、9歳まで過ごした約束の地である。「郭は“土着系”外省人を見事に演出した」(台湾紙論説委員)大陸から来た外省人と、台湾出自の本省人の族群対立が台湾政治永遠のテーマである。少数派の外省人が総統に当選するには、多数派の本省人の支持が不可 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。