本命「りそな」に逃げられたスルガ銀行「引き当て地獄」

引当金を積むと自己資本比率が8%割れとなり、大規模な預金流出が勃発しかねない。土壇場でその場しのぎの「信用補完策」。

2019年6月号 BUSINESS

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シェアハウスや投資用ワンルーム向けのローンで不正融資を繰り返し行っていたスルガ銀行が、生き残りをかけたスポンサー探しに喘いでいる。日経新聞が4月9日付の紙面で、りそなホールディングス(HD)、SBIホールディングス(HD)、新生銀行と支援交渉を行っていると報じるや、りそなHDとSBIHDが、それを打ち消すコメントを相次いで発表した。とりわけ本命と目されたりそなHDは「本件につきましては何ら検討を行っておりません」と、けんもほろろに突き放した。

「引当不足」で漂流

スポンサー探しが難航しているのは「投資用不動産向けローンの引当金が不足しているから」(銀行担当アナリスト)だ。2018年末時点におけるスルガ銀行の投資用不動産向けローンの残高は1.8兆円にのぼり、貸出全体の6割強を占める。内訳は、シェアハウスローンが2020億円、アパートなどの一棟収益物件ローンが1兆2450億円、投資用ワンルーム ………

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